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実は歴史的な性病の梅毒の実態とは

2020年01月10日

梅毒はここ数年で日本国内で急速に感染者が増加しており、都市部を中心に患者数が急増しています。最近は国内で性病全体の報告件数は減少しているのに、梅毒だけが増加して深刻な問題になっています。梅毒自体は新しい病気ではなく、大航海時代以降のヨーロッパやアジアで一般的によく知られていた病気でした。この病気が性行為によって伝染する性病であることも昔からよく知られており、歴史的な性病といえます。ちなみに日本では昔から“梅”毒と呼ばれていますが、これは梅(ウメ)ではなくて楊梅(ヤマモモ)のことです。

日本では江戸自体に吉原などの遊郭を中心に梅毒が蔓延したことが有名で、明治維新以降も都市部で流行していました。この病気は1947年にペニシリンが発売されるまで根本的な治療方法がなく、昔から“死の病”として人々の間で恐れられていました。昭和30年頃にペニシリンが普及すると急速に患者数が減少しましたが、それ以前は誰でも知っているポピュラーな病気のひとつでした。昭和時代の末頃には患者数が非常に少なくなり、平成以降は珍しい病気になりました。現在は、梅毒患者を診た経験のない医師も少なくありません。

平成時代に入ってからは日本国内で梅毒は稀有な病気になっていましたが、2011年頃から都市部を中心に急速に患者数が急増する傾向が見られます。患者数の内訳ですが、男性患者の7割は30歳以上で女性患者の6割が29歳以下で占められています。以前は男性の同性愛者で感染者が多く見られましたが、最近は異性間の性交渉によって感染するケースが増えています。

近年の日本で梅毒患者が急速に増加しているはっきりとした理由は不明ですが、患者や医師が病気に対する意識が低くなっていることが考えられます。この病気は昭和中期までは一般的に広く知られており、医師が症状を見ればすぐに見分けることができました。普通の人でも全身の発疹を見れば、すぐに梅毒であることに気づいて病院に行きました。現在は病気のことをよく知らない人が多くなり、若い医師の中には初期症状を見ても気づかない人もいるほどです。

日本では、性風俗店を通して梅毒の感染が拡大していることが流行の原因であると考えられています。大学病院の医師が調査したところ、男性患者の多くが性風俗店の利用経験があることが判明しています。性風俗店を通して国内で感染者数が増加していることから、近年急増している外国人観光客の影響が考えられます。

国内の患者数と来日外国人観光客のグラフを比較すると、両者の相関関係が認められます。来日観光客の大半は中国人(本土)で占められており、日本の大都市にある風俗店を利用する人も少なくありません。中国人の団体観光客の中には、風俗店が入居する雑居ビルを丸ごと借り切って性的サービスを受けるグループもいるほどです。中国本土では現代でも梅毒の感染者数が非常に多いため、来日観光客を通して日本国内で流行していると推察する専門家もいます。

梅毒は過去の病気などではなく、身近に存在する恐ろしい性病のひとつです。感染が疑われるような性行為を経験したり初期症状を見つけた場合は、すぐに検査を受けることが大切です。