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HIV感染がエイズ感染ではない!エイズになる段階とは?

2020年02月25日

エイズは性行為などにより人から人に伝染する性感染症(性病)のひとつで、発症すると死に至る恐ろしい病気です。エイズの病原体はHIVですが、HIV感染とエイズの発症は別です。ウイルスに感染した時点でエイズ患者になると考えている人がいますが、これは間違いです。HIVに感染していても症状を発症していなければ、エイズ患者とは呼びません。エイズとは症状の名称で病原体ではないので、“エイズに感染する”という表現も間違いです。

エイズの病原体はHIVと呼ばれるウイルスで、このウイルスはヒトの免疫細胞に寄生して増殖するという性質があります。ウイルスに乗っ取られた免疫細胞は死滅してしまうので、HIVに感染すると長い年月をかけて少しずつ免疫力が破壊されます。免疫機構は人体を病原菌やウイルスなどの外敵から守る大切な役割を果たしており、免疫が破壊されると身近に存在する細菌・カビ・ウイルスなどから体を守ることができなくなってしまいます。健康な人であれば問題のないような細菌やウイルスの感染症(日和見感染症)を起こすと発病して、エイズ患者になります。

HIVに感染してエイズの発症に至るまでには、いくつかの段階があります。最初にHIVに感染した直後から4週間ほどの間に血中でウイルスが急速に増殖し、一時的に免疫細胞(CD4陽性リンパ球)が減少します。この時に発熱やのどの痛みなど風邪やインフルエンザに似た初期症状が出ますが、数日~数週間で自然に症状が収まります。感染してから1~3ヶ月の間にウイルスに対する抗体が生成され、抗体検査で陽性反応が出るようになります。感染直後から3ヶ月までの期間は急性期と呼ばれ、抗体が生成された後に無症状の潜伏期間(無症候性キャリア期)に入ります。

無症候性キャリア期に入ると症状が出なくなり、人によって数年~20年ほど続きます。症状が出ない期間の長さは人によって違いがあり、数ヶ月と短い場合もあれば20年を超えるケースもあります。症状が出ない間でも血液中ではウイルスが免疫細胞に寄生して増殖を続け、免疫力が少しずつ低下し続けます。免疫細胞が減って免疫力が一定以下に下がると、下痢・発熱や帯状疱疹・カンジダ症などに罹りやすくなる場合があります。

免疫力が低下すると、健康な人であれば問題の内容な常在菌などが原因で日和見感染症を発症してエイズが発病します。症状には下痢・炎症・悪性腫瘍や神経症状(認知症や運動障害)などさまざまなので、症候群と呼ばれています。日和見感染症が発症するとエイズ期に入り、治療をしなければ2~3年で死に至ります。

発病前の潜伏期間(無症候性キャリア期)には自覚症状が出ませんが、この期間中に治療薬を服用すれば免疫力の低下を防いでエイズの発病を予防することができます。無症候性キャリア期に発症を防ぐための治療は“HIV治療”とか“エイズ治療”などと呼ばれることがありますが、この段階ではエイズ患者とは呼びません。